*オーセンティックバーノート*

女ひとり、オーセンティックバーへ行く。

プロローグ

少し照明の落とされた階段を見上げ、

私は、「…よし!」と勇気を奮い立たせ

その階段を登ってゆく。



未だ終電には間があるので、

道にはこれから居酒屋へ入る人達もいる。



大きな木製の扉の前に立つ。

一瞬、ノブが無いのでどうやって開けるのか迷って、

とりあえずグッと押してみた。


思った通り重い。


店内はお客さんが結構入っていて、

少し尻込みした。



「何名様ですか?」

「あ、一人です。」



私に気づいて、こちらにやってきたお店の人が、

私の荷物やらを預かってくれた。



席まで案内されて、

椅子を引いてもらい、着席する。


座るタイミングを合わせるのって結構お互い難しいよね。



他のお店の人がおしぼりを広げて使いやすいように渡してくれる。

手を拭いている間にメニューを持ってきてくれた。

そして今日のおすすめメニューを説明してくれる。


「バッションフルーツってどんなのでしたっけ?」


その人が実物を持ってきて説明してくれた。


「じゃあ、それにします!」


かしこまりました。とお店の人が、カウンターの中央の人にオーダーを伝えにゆく。



店内を見回すと、

男性2人連れ、女性を連れた男性、男性の一人客で、

女性一人は私のみ。


でも、居心地が悪くないのは、

女性のスタッフもいるせいなのかも。






「おまたせしました。パッションフルーツの〜〜〜です。」



あ、これは3秒で忘れるやつだ(笑)



黄色いパッションフルーツのカクテルは

タンブラーの下の方に

緑の種のつぶつぶが沈んでいて、なんかキレイ。


「こちらもどうぞ。」


出てきたのは、パッションフルーツの中身をくり抜いた皮の中に、

ストローが差してあって、同じカクテルが入っているらしい。

ヤダお得!かわいいw



しばらくすると、四角く白い小皿に、

チーズをのせたバケットが2つ到着。


お通しらしい。


あ、たらこが入ってる。うまw



「お客様、今日はお一人ですか?」


「あ、はい。初めて一人で来れました。」



ここ、前回は知り合いの、この辺に詳しい人に連れてきてもらったのだ。





実は私、ずっと一人で行かれるバーを探していた。

でも、バーがどこにあるのか分からなかったし、

銀座とかの高そうなお店に入る勇気もなかった。


そんな話を以前職場の飲み友達でもある女性の先輩に、


一人でバーに行くなら、こちらの様子をちゃんと見ていてくれて、

飲み過ぎないようにとか、他のお客さんに絡まれないようにとか、

気にしてくれるところがいいよ。


とアドバイスをもらっていたけど、



どうやって探すんだ!?



となかばあきらめていたところ、



なんと、近所に

女性が一人で行っても大丈夫なバーがあるよ

と、連れてきてもらったのだった。


しかも、メニューにお値段が書かれているので安心(笑)


さらにこのバー、

その界隈では有名店で、

本職のバーテンダーの方々もいらっしゃるという。


ちなみに、昭和の時代にバーテンという呼び名が流行ったみたいだけど、

彼らはバーテンダーと言わないと嫌がられるよ。


と、連れてきてくれた人は教えてくれた。



バーテンダーの皆さんは、

一人客の私の話し相手になってくれたり、

お酒の説明をしてくれたり、

とても居心地が良かった。



おかげで予定よりも多めに飲んでしまったけれど、

気分良くいられたから、

良しとしよう。



また来ます。



お会計の後に自分の荷物を受け取り、

帰ろうとすると、

階下までバーテンダーさんが送ってくれた。


確かに酔っ払いに階段は恐い(笑)






こうやって、私は念願の『お一人様バーデビュー』を果たしたのだ。