*オーセンティックバーノート*

女ひとり、オーセンティックバーへ行く。

ハシゴカクテル

「…こんばんは〜〜…入れますか〜〜?」




雑居ビルの地下の狭い階段を降りて行くと、

突然、

シックな外観の扉が現れる。



それを恐る恐る開けて、中をのぞき込んだ。




「どうぞ、珍しいですね。」




あれ?

2、3年ぶりなのにリアクション薄!!

と、微妙にショック(?)を受けながら、カウンター席に座る。




しかし、しばらくしたら、なんとなくその理由がわかるような気がした。



このバーの雰囲気がそうなのだ。

落ち着いた静かな雰囲気のバーを作りたかったのだろう。



以前このバーテンダーさんがいたバーは、

騒がしさも多少許される店だったので、

そのイメージのままのリアクションを想像してしまった。




久しぶりなのに?メニューが出てこない(笑)ので、

ちょっと考えて、

モスコミュールを注文する。




モスコミュールは私が好きなカクテルの1つ。

オーセンティックバーでは生の生姜の絞り汁を入れるので、

ジンジャーエールやジンジャービアより生姜の辛味が際立って美味しくて、

しかも喉に良さそう。



「銅マグじゃなくて、グラスでお願いね。」



そう、バーでは大抵の場合、

モスコミュールは銅製のマグカップに入れられて出てくる。



しかし、私は、

この銅マグが苦手なのだ。

冷えた金属の口当たりがダメなのだ。



なので、毎回モスコミュールを注文するときは、

目の端で銅マグを確認した場合、

必ずグラスにして欲しいと頼む。







「〇〇がこの近くにお店を出したんですよ。」


「あ、そうなんだってね。」



〇〇さんとは以前、

ここのオーナーバーテンダーさんと同じお店で働いていたバーテンダーさんだ。

そのバーを辞め、独立したと聞いていた。




「この後行かれます?」


「あ、うん。行きたいけど、場所が分からないから、あとで教えて?」




他のお客さんもいるので、

さすがに手が空いてないと頼みづらい。



2杯目を注文してしばらくすると、

私より先に来ていた他のお客さん達が帰り始めた。

落ち着いてから先ほどのバーの場所を教えてもらう。



うん。たぶんわかる辺りだ。


お礼を言って、2軒目へ向かう。


まだ早い時間だからか、人通りもそれなりにある。




探しながらだったので、少し遠く感じたけれど、

目的のバーを見つけた。

外観がわかりやすくて助かった。




このバーも地下にあったが、

階段はこの店専用らしく、

なかなか凝ったつくりになっている。




いいね。好きな雰囲気。




「こんばんは〜」


「いらっしゃいませ!あ、お久しぶりですね!」




これだよこれ!このリアクションだよ(笑)




ここでもメニューが出てこなかった(笑)ので、

今度は生のフルーツを使ったカクテルが

どんなのがあるかたずねてみる。



金柑を使ったのが美味しそうだ。

普段、金柑を食べることは稀だが、

カクテルには金柑が丸ごと入っていて、

お酒を飲みつつ中の金柑を食べるのが、

とても美味しく感じる。



落ち着いて改めて目をやると、

内装はヨーロッパ調で私の好きな感じだ。

カクテルを出してくれたバーテンダーさんに

ひとしきり開業に至るまでの話を聞く。

わりと突っ込んだ話も普通に話すので、

聞いている私も時々ヒヤヒヤする。



私が来た時に先客は男性のお一人様が2組。

なんというか、私たち声でかくてすみません(笑)




電車の時間にはまだあるので、

もう一杯飲もうかな。



カウンターの背後の棚に、あまり見たことのないボトルが結構ある。

まあ、そんなに知ってるわけじゃないけど(笑)



「ウィスキー、飲まれますか?」



カクテルを飲み終えて、棚を凝視している私に気付いたバーテンダーさんが声をかける。



「あの、ボトルは何?上から2段目の右端のやつ。」


「これですか?」



わざわざ棚から降ろして、私の目の前に置いてくれる。

説明されたけど、いまいち気分に合わないので、

“もうちょっと軽い方がいいなあ” とかワガママを言う。



「それでしたら、こちらはどうでしょう。」



へえ、飲んだことない。(たぶん)



「これにします。ソーダ割りで。」



ここ何年か、ウィスキーのソーダ割り(いわゆるハイボール)が意外といける!

と気付いて、

気分によってソーダ割り(ハイボール)にしている。

水割りは相変わらず好きじゃない。



(最近までウィスキーのソーダ割りとハイボールは別物だと勘違いしていたけどね(笑))







楽しい時間は本当にあっという間で、

元々だらだらと飲むのが好きだけれど、


この日は計画通り、

予定内の時間でバー2軒を堪能したのであった。